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歴史観について1

歴史観

歴史とは現在と過去の対話である、という言葉のあるとおり、歴史は見る人の立ち位置によってその様相は違ってきます。生まれた時代や、生まれた国や地域による違いはもちろん、個々人の性格や思想によっても大きく差が出てきます。

平安時代と江戸時代の人々の認識は当然違いますし、日本人の歴史観、アメリカ人の歴史観、中国人の歴史観は当然それぞれぞれ違います。また中国なら共産党が国民に与えた歴史観、アメリカなら東部エスタブリッシュメント主導の歴史観などというような、政府や一部支配層による特定の歴史像で固定されている国もあります。

そういう意味で言えば日本では、旧帝大出身の研究者や知識人、日教組などの団体、新聞テレビなどのメディアといったところが先導役となって日本人の歴史観を定めていっていると言えるかもしれません。

以前話題になった教科書論争などでも、やはりこの従来の指針役であった人々が提唱していた歴史観が、その是非を問われていたわけです。最近でも社会党政権時代の産物、いわゆる村山談話が田母神論文問題で蒸し返されていましたね。 この村山談話と田母神論文の二つに代表される歴史観、特に先の大戦の歴史的評価が、左右勢力の論争の的であったわけです。

ネット右翼という言葉も一時期流行りましたね。朝日新聞を始めとする旧メディア側がネット上の言説に対してマイナスイメージを付与して呼び始めたものですが、これはイデオロギー的なものと単純には言えないと思います。新聞・テレビ業界にとって、競合相手としてネットメディアが急速に拡大してきたことにある種の恐怖感も含まれているのでしょう。

どちらにしろ、これまで社会でタブーとされてきた左右のイデオロギー言説を自由に表明出来るネットという存在は、「正しい」主義・思想の先導者たちにとっては都合が悪いことに違いはありません。

日本のメディア、特にこれまで国民思想の先導者と自負してきた新聞界の思想状況をまとめておきます。まず、朝日新聞は基本的に反体制思想が主流ですね。ある一時期、つまり先の大戦時は体制側にまわっていますが、現在左翼勢力のトップを自負しています。読売新聞は戦前は右翼的主張が強かったようですが、戦後はどちらかというと左翼穏健派というところでしょうか。ただ大戦(読売では昭和戦争と呼称)の事項に関することだけは、強く左翼傾向が出るようです。軍隊嫌いのナベツネさんの意向なんでしょうかね。

毎日新聞はほぼ朝日と論調は変わりませんが、差別化を図ろうと意識するのか、時折過激な主張を見せる時もあります。産経新聞は、3大新聞と比べて規模は小さいながらも、業界では珍しい保守思想の雄として独特の存在感がありますね。保守といってもアメリカ寄りの主張が多いのも特徴です。

左翼的言説というのは、世界の趨勢としてはソ連の崩壊とともに力を失ってしまったわけですが、文化人、知識人層では以前根強く残っています。また反日、親日という物言いも結構混乱があります。左翼=反日という結び付け方も昔からある定説ですが、彼らにしても単なる日本憎しというよりは、中国びいき、朝鮮びいきが強く出て、彼の国の側に立って論じるため結果的に反日に見えるということでしょう。

右翼=親日という見方にしても、間違いとは言わないまでも、産経新聞の一部の論説や保守系知識人の一部に見られるように、親米的論説も強くあります。ここから言えるのは、左翼=親中・親朝、右翼=親日・親米という構図で、共産主義勢力VS資本主義(反共、反動)勢力という昔ながらの構図が今でも生きているようです。

私自身は歴史好きを自認している以上、保守であると断言したいところではあるんですが、自分で主張するのは自由でもまわりからはそう見られるとは限りません。よく私は左翼でも右翼でもない、という中道を主張したいがためのいわゆる日和見主義のような人たちがいますが、これも結局主観であって、客観的にどうかということとは関係ないのと同じなんですよね。

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