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ご挨拶

ご挨拶

こんにちわ。このような辺鄙なところにお越し頂き誠にありがとうございます。ヒストリアン管理人でリカムと名乗っておるものです。中央線沿線に生息しています。好きな食べ物はとろろ、好きな季節は春と秋と冬です。
つたないところは多々あると思いますが、広いお心でご覧下さいませ。

名前の由来

お察しの通り、コストヴァの歴史ミステリ本「The Historian」が元ネタです。
歴史家というくらいの意味でしょうが、日本語で言うと格好良すぎるので、カタカナでお茶を濁したかったんです。

で、この「ヒストリアン」ですが、刊行された時期といい、話の内容といい、あの「ダヴィンチコード」から始まった「キリスト教の謎系・欧州舞台歴史ミステリー」の大流行の中の、典型的な二番煎じという印象があったことは否めません。

作者は10年かけて完成したとわざわざ弁明しているので、そうした評価を受けるであろう予測は最初からあったんでしょう。
「ダヴィンチ」のように、派手なアクションもなく、物語の展開もスピーディーではないのですが、なんというか雰囲気がいいんですよね。
「東欧歴史巡り」という感じで、美しい風景描写の中で東欧各地の歴史や文化を織り込みつつ、お話が進んでいくという。

本の内容はというと、主人公である少女が、奇妙な古い本を父親の書斎で見つけるところから始まって、彼女(の父親)に関わるヒストリアンたちがこの本を手にしたことから、3世代にわたる物語が繰り広げられる、というものです。

ただし、この「3世代にわたる物語」というのが魅力でもあり、話をややこしくさせる原因にもなっているんですよね。時代構成が年代順になっておらず、おまけに3人の人物の手紙まで交えながらだったりで、読み進むのがかなり大変です。
これ誰の話だったっけ、ああこの人の手紙の話だったそういえば、などと進んでは戻りを繰り返すことになります。

ただ、そのぶん長くじっくり読めるので(上下巻で千ページ近い大著ですし)、好きな本は少しでも長く読んでいたい、という方にはぴったりではあります(私はまさにこのタイプなので、相性が良かったわけです)。

なので速読破の人はイライラすること間違いなしですし、物語後半の尻すぼみ感(特に結末)は、何と申しましょうか・・・。 私は雑誌か何かの連載ものだったんじゃなかろうかと推測してるんですが。つまり遅筆の作家が月極め連載でよくやる失敗パターンを。
この系統だとやはりエーコの『薔薇の名前』を超えるものはないんじゃないかとは思います。
あるいは、歴史家の活躍する西欧ミステリという括りでいえば、あまり有名ではないようですが、イースターマンの『墓の結社』が良いです。ダヴィンチファンの方ならおそらくこちらの方がずっとしっくり来るかと。

何だかミステリ本紹介みたいになってしまいました。とにかく歴史「分析」とか「研究」というほど格好良くはいきませんが、気ままに進めていくので、どうぞよろしくお願いします。

空白

ついでなので評価もつけちゃいます。

エリザベス・コストヴァ、高瀬素子『ヒストリアンTU』日本放送出版協会、2006/2/22
星3つ。I巻だけなら4つ星、U巻が2つ星。I巻でやめておくというのも手です。私には無理でしたが。

ウンベルト・エーコ、河島英昭訳『薔薇の名前〈上〉〈下〉』東京創元社、1990/02
星5つ。ミステリ好きの方には何も言うことはないでしょうが、歴史好きにもたまらんと思います。未読の方がいらしたら、例えば京極さんが好きな方なんかはまず間違いなくはまると思います。

ダニエル・イースターマン、山本光伸訳『墓の結社』二見文庫、1992/03
星4つ。アクション性がやや強い気もしますが、雰囲気はダークで読ませます。

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